日本人は生きづらい人種か?

今日、とあるイベントに参加してきた(久々の更新)。東京新聞の記者望月衣塑子(いそこ)さんと、エセックス大学の研究者である藤田早苗さんによる、報道の自由を規制しつつある政府についての危機感を共有するための集会である。

私はもともとあまり政治に興味はない方でノンポリだった。この国ではノンポリはある意味、特権階級の印である(ここでいう特権階級というのは、高い教育を受けた層のこと)。政治を真剣にやろうというエリートは日本には少ない。日本では政治家は、「使えないボンボン/お嬢さん世襲議員」か、「自己顕示欲が強いバカ」のなるものだと思われているきらいがある。だれかが政治談義など始めようものなら、周囲の者は「そんな高尚な話は」とか、政治観の違いにより喧嘩することを恐れるのが関の山である。

政治をどうにかしようと声高に叫ばなければならないのは、社会の下層で苦しんでいる人たちだ。そういう人たちは基本的に高い教育を受けるのが難しく、学歴を見ては「大したことない奴が政治やってる」と言う学歴厨がいる。はたまた東大出や早稲田出が政治をやると、「賢いくせにバカ」と罵ってみせる。私はルーピーはとやまさんを思い出す。彼の時代、日本の報道自由は一番高かったそうだ(国連のランキング12位。なんと今は、72位。韓国より低い)。鳩山時代はいわば、言論の春の時代といってもよかったのである。あんなに、ルーピーだとか宇宙人とか言われたのに。

私たちは、じわりじわりと自由が規制されてきている状況をなんとなく肌で感じていても(就職しにくい、なんとなく生きづらい)、諸悪の根源がどこに渦巻いているのか知らないままだ。中国、韓国、北朝鮮、ロシアなどをスケープゴートにしては「ネトウヨ」が喚き散らす。「周りにゴロツキ国家ばかりある。その中で日本は掃き溜めのツルのごとくだ」と考えるのが紋切り型であろう。周りにゴロツキ国家ばかりであることが、日本を相対的に「美しい国」に見せている。

よく考えて見てほしい。日本より国民が幸せそうにしている国を、知っている限り挙げてみてほしい。それは、よく海外を知らずにイメージだけで話しているのだと言われる場合もあるだろう。実際そういう場合もあるだろう。しかし、目をつぶらないで欲しい。自分たちが生きる日本という国は、本当に幸福だろうか?生きやすいだろうか?

蔓延する神経症、自殺する若手会社員、女性が専業主婦をしているのが一番幸せだと言ってはばからない現状。確かに専業主婦がいちばんいい。今の日本社会では少なくとも、外に出て「男並み」に働かされるのを避ける、すなわち専業主婦となることがいちばん「マシ」なのだ。国連の基準では、そうではない。女性は自分らしく働く自由がある。だから国連基準では、専業主婦に甘んじる日本の女性たちは「自由を迫害されている」と思われてしまう。しかし社会状況に照らせばそうではない。彼女らは、「専業主婦となる自由」を積極的に行使したがっている。しかも高レベルとされる大学にそういう女子が意外なほどに多い。学生終盤になって彼女らは、日本社会の、日本政治の欺瞞に意識下で気がついている。


私はこれまでの2x年間よく勉強した。次は自己効力感を身につけて、社会に学んだことをアウトプットしたい。どういう形になるか分からないが、修士論文を終えたあと、私の真の「人生の夏休み」をここから始めようと思う。


なお口頭試問w